「勿体無いねぇ、モテるのに。
雪言ってたよ、鬼モテすぎて逆にうざいって」

「逆にうざいのはなんか分かるな」


さすが遥の妹、気が合いそうだ。
奴が今なおモテてるのも勿論知っている。

たまにクラスの女子数人が、凛の家の付近でウロウロしているのを私も何度か目撃したことがあるから。


「いっそのこと誰かと付き合っちゃえばいいのにね」
「んーーまあ、それは奈央次第でしょ」


はい? なにが??

遥の言葉に引っかかって眉をひそめる。


「え、別に私凛の彼女のこと査定したりしないよ?」


なんなら1番に祝福したいくらいだ。

遥は私の言葉を苦笑いで流して、締めくくるように言った。


「まあ作らないでしょ、この先も凛くんは」


断言できる遥のその自信はどこからくるのか、私にはよく分からない。