私はわたしで、徐々にクラスの女子と話す機会が増え、学校生活に楽しさを見いだせるようになっていた。
そうなると、私と凛がこうやっていつまでも一緒に下校しているのは不味いんじゃないかと思うようになっていた。
「凛、今度からは学校の友達と一緒に帰りなよ」
ある日の学校帰り。
いつものように裏門から田んぼ道を歩いているとき、私は凛に前触れもなく唐突にそう言った。
「なんで」
そんなことを言われるなんて考えてもいなかったような顔をする凛。
拾った猫を里子にだすような気分だった。
「だって、こんなとこ見られたら、また馬鹿にされちゃうかもよ」
「そんなの今更じゃん」
「それに私も流石にそろそろ部活出なきゃまずいかなぁと思って」
「いいよ、奈央が部活終わるまで俺待ってる」
真っ直ぐな凛の気持ちに
私は言葉を詰まらせた。