苦しくて、愛おしくて






凛は、出会ったときから生意気で可愛げなくて口も悪かったけれど

その分感受性も豊かで、人の気持ちにも敏感だった。


ムキになって強がったり、ときおり哀愁を感じさせる大人っぽい顔をしたり、小学生らしかったりらしくなかったりと


一緒にいればいるほど私にとって凛の存在がなくてはならないものになっているのが、自分でも分かった。








「奈央っ、 聞いて
オレ今日昼休みにサッカーした!」

「えっ! ほんとに?!
すごいじゃん、良かったね!」

「うん。…まぁまぁ楽しかった」

「あははは嘘つけ、超楽しかったんでしょ」


いつのまにか、凛は初めに会ったときと比べると随分雰囲気が丸くなった。


本当はすっごく嬉しいはずなのに、やっぱりこんなときでも強がってそれを抑えようとして(でも抑えきれていない)いる凛が、可愛くて。