苦しくて、愛おしくて



生理の内容まで話したことで、凛は女子がいかに大変でか弱いのかを、僅か小学校5年生で知ったのだ。

男は女を守るものという古来からある伝えも、本人は納得できたそうだ。

(でも何故か相変わらず態度は生意気だったな)


「小学生って今なんの遊びが流行ってるの?」

「知らないし。ドッジなんじゃない」

「えー。氷鬼とかやんなかった?」

「知らない」

「凛はドッジに入れてもらわないの?」

「…うるさい」

「入れてもらい方が分かんないのか」

「っ、ちげーし! やりたくないから言わないだけ!」


ムキになって強がる凛は、いっつもそう。

一人で寂しい思いをしていることを、認めない子だった。