苦しくて、愛おしくて




小学生なんだけど、境遇が似ていることもあって親近感が湧きやすかった。それに年下なのも気を遣わずに言いたいこと言えて楽だったし。


私は凛という女の子みたいな名前のお隣さんが気に入って、凛も嫌々な態度ながらその日から裏門で私が来るのを待つようになった。

あくまで向こうは通学路の途中で私と帰る時間帯がたまたま被るだけだと言い張ってくるけれど、

私はこの裏門の道沿いが通学路の範囲に入ってないことなど、もちろん分かっていた。


「はいはいはい」

でもそういう言わなくていいことは胸の内にしまっておく、ということを、今回の出会いをきっかけに私はなんとなく覚えたのだ。


部活はもちろんサボっていた。

顧問は初めこそ私を捕まえては説教を垂れていたけれど、私が部活のメンバーにされたことを説明し始めると途端に面倒くさくなったのか、何も言わなくなり部活に出ないことを黙認するようになった。