「制服可愛いからここでいいや〜だって。あいつマジで受験舐めてるよね」
「あはは。でもいいじゃん雪ちゃん可愛くて」
妹が欲しかった私からしたら、遥が羨ましい。
「てか凛くんだよ。何が複雑なのか思い出した?」
「それはもういいよ。言うてもう受け入れたし」
「で本当はちょっと嬉しいんでしょ」
「んーーちょっとね」
「はは。やっぱし」
私もよくよく考えてみたら、嬉しさの他にどんな感情があって複雑なのか、自分でも分からない。
「ねえねえ、今年の新入生に超カッコいい男の子いるの知ってる?」
「あー知ってる知ってる! 蘇我中出身の人でしょ!」
でも凛は、多分モテると思う。
「新入生代表の子見た? 超カッコいいよね」
「見たみた! 聞いた話じゃバスケ部入るらしいよ」
モテる人は、どこにいても注目の的になって。
「珍しいよね、凛って名前。最初名前だけ見たときは女の子なんだと思った」
「あ、そうそう! でもさぁ、合ってるよね〜」
私はその度、凛が遥か遠くにいる存在のような気がして、いつも胸がギュッとなっていた。
この感覚、前にも経験した覚えある。

