「なにが複雑なの??」

「うーん、だってさぁ」


遥はポッキーを頬張りながら、その意味が理解できなさそうに小首を傾げていた。

お昼休みに私の教室に訪れてくれた遥は、残念ながら3年になってクラスが離れてしまったのだ。

私は4組で、遥は2組。

掲示板の張り紙を見て知ったときは、あまりのショックに何度も見返したなあ。

でもお互い偶数クラスだから体育は一緒に出来んじゃん、なんて遥は楽観的に笑っていたっけ。


「だって? だってなに」

「え? あ〜、なに言おうとしたか忘れた」


へへ、と気まずそうに笑う私を白けた顔で見る遥。


「そんな妹みたいなこと奈央も言わないでよ」

「アレ、そういえば雪ちゃんもうちの高校受験したんだよね?」


本当は彼氏と佐野に行くはずだったらしいが、願書を出してすぐ喧嘩別れをしてしまったらしい。

それで急いで変更してめでたく合格。

なんなら凛と同じクラスみたい。