苦しくて、愛おしくて




「…いいよ、別に間違ってないし」


さっきとは打って変わって、小さい声だった。

なんだか変な照れ臭さが流れつつあったよね。

私はそういう空気が特に苦手で

「なんだ一緒じゃん」

またすぐ余計な言葉で茶化してしまったのだ。


「でもさすがに体操服は汚されたことないけど」


でも今度はそっちも負けじと言い返してきたよね。


「身体ごと汚される方がえぐいでしょ」

「…うるせえババア」

「おい」


言い返せなくなると「うるせえ」に逃げるのが口癖だって、割と初っ端で気づいたよわたし。

学校で居場所がない私にとって、この出会いは本当に大きかったな。