私が彼に一目惚れしたのは、三年前の喫茶店の相席。

その日は、凄い雪だった。

終電で駅に着き、馴染みの喫茶店に入った。

席は満席。

マスターが、相席をしてくれたのがきっかけ。

見るからに

『イケメン』

私はチラチラ見ながらミルクを飲んでた。

「目2つ、鼻、口なかなか悪くない顔だろう」

「エッ」

「俺の顔タイプ?」

「あっ、いえ、」

うまく、言葉が出てこない。

「それ、何飲んでるの」

「ホットミルクです」

「マスター、ホットミルク2つ追加」

「t、ゆかりは俺の妹見たいな存在だから、下手な真似するなよ」

「アハハハハ、しねーし」

「ミルク代払いますから」

「気にすんなよ、てかうまいなこのミルク」

彼は子供みたいだった。

ホットミルクを飲みながら私は彼の話に夢中だった。

彼はイベント系の会社の社長だった。

名刺を渡され

「そのアドレスに名前入りでメールして今すぐ」

馬鹿正直な私。

アドレスに名前入りでメールした。

彼のスマホが鳴る。

「ゆかりちゃんの、アドレスGET。
俺のは今送ったから登録しといて」

「あっ、はい。」

その後も彼の話は続いた。

喫茶店も閉店。

私はタクシー乗り場に向かおうとしたら、腕を掴まれた。

「ゆかりちゃん送るから」

彼は私の手を握りスタスタ歩き始める。

私は拒むことが出来なかった。

彼の車は高級車。

助手席に乗りながら緊張MAX。

「ネッ、お腹空かない?」

「はい、空きましたね」

「飯食って行こうよ、おごるから」

「喫茶店もご飯もはさすがに失礼ですから、割り勘にしませんか」

「気にしなくていいから。
それに、俺は女に出させるのは嫌いだから」

車をとめて、店に入った。

「好きなのたべな。
全て美味しいからこの店」

「良く来るんですか」

「イタリアンはここが一番かな」

「社長なら、凄い高級料理も食べた事ありますか」

「うん、あるよ」

「羨ましいです。
私には未知の世界です」

「未知じゃないだろう。
連絡先交換してるだからさ。
色体験させてやるよ」

「セレブが着るようなドレスないですから」

「買えばいいじゃん」

彼の話は全て面白かった。

けど、金銭感覚は飛び抜けた感じがした。

「売ってる店さえ知りませんから」

「ゆかりちゃん、イメチェンしたら、スゲー変わりそうだね」

「イメチェンですか」

「普段着ない服に、メイクにって全てイメチェンして見たいな俺好みに」

「私どんくさいし、それに田舎育ちだから、イメチェンしても変わらないですよ」

「じゃ、変わったら友達になってくれない」

「友達ですか」

「こうやって、何でも話せる友達から始めたいから」

「分かりました」

「じゃ、今度の日曜日朝迎えに行くよ」

「分かりました」

「ここのミックスジュース美味しいから頼んであげる」

俺様見たいな部分と、優しい部分とが、バランス取れてる性格。

ミックスジュースもメチャクチャ美味しかった。

店から出て車に乗る。

「名前何て呼んだらいいですか」

「周りの女はtちゃんって呼んでるよ」

「私もtちゃんって呼んでいいですか」

「俺はゆかりでいいかな」

「あっ、はい」

真っ赤になったのが分かった。

「ゆかりは、彼氏は?
目クリクリだからもてるでしょ」

「そんな、もてませんよ。
tちゃんこそもてるでしょ」

「確かに告白されるな、俺の地位、金に惚れた連中に、ハハハハ」

「それは、tちゃんの勘違いじゃなくて」

「勘違いじゃないから。
現にそうだったから、毎回。
元カノ位かな、俺が忘れられない女は」

「元カノさんに偶然会ったらどうしますか」

「俺がフリーだったらモーションかけるかな」

「余程好きだったんですね」

「あー、マジに惚れてた俺が。
全く飾りっけなくてさ。
何か欲しい物は聞くと
tちゃんのチュッだった。
本当アイツの代わりはなかなかいなくてさ。
ハハハハ、笑っちゃうよな。
未練タラタラ」

「純愛ですね、正に。
再開出来るといいですね」

そうこうするうちに自宅前に着いた。

「今日は有り難うございました。
後、ご馳走様でした。
凄く美味しかったです。
日曜日楽しみにしてますね。
お休みなさい」

彼に手を握られた。

ま、ま、まさか!!

チュッ!!

kissされた。

「kissしたくなっちゃった」

そう言いながら何度も何度もkissされた。

ディープじゃない、フレンチなkiss。

彼のkissは魔法見たいだった。