ピピピピピピピ…………
カーテンから暖かくも乾いた日差しが差し込む。
今日は……
「お母さん?!」
部屋に響いた声にも返事はなく、台所からも何も音はしていない。
あぁ、やっぱり夢なわけないか。
一週間前までこのアパートはお母さんとわたしの二人で狭苦しかったのに。
今は空っぽだ。
お母さんの葬式の夜は親戚の家に泊めてもらった。
でも、学校もあるし、長い間お世話にもなれないから次の日すぐに家に帰ってきた。
お父さんはわたしが小さい頃にお母さんと離婚してどこにいるのかも知らない。
お祖父ちゃんお祖母ちゃんはお母さんとは仲が悪くて、疎遠になってた。
今日からわたし一人。
高校は寮のある学校にしよう。
今決めた。
『ちゃんと笑う事。幸なら大丈夫』
お母さんの声が聞こえた気がした。
大丈夫。
わたし、頑張るから。