**-- other side Four --**



それからクリスマスパーティーまでの間、俺は人が変わったように働きまくった。


吉田さんには「彼女できたの?」なんて冷やかされもしたけど、俺は否定も肯定もしなかった。


だって知り合いってだけだもん、小峯栞とは。


これからつき合うかどうかなんて天任せ・神任せだ。


それでも俺は、プレゼントを選んでみたり着ていく服を選んでみたり、髪型だってあれこれアレンジしてみたり……。


なんだかんだ言って、小峯栞に会えることを楽しみにしていた。


“教師の勘”や“荒療治”なんてのは、すっかり頭から消え去っていた。


“ナチュラル”が好みだったはずなのにいつしか俺は小峯栞に“興味”意外の感情――つまり“恋”をしていたことに気づいた。


不倫相手の彼のことなんて、もう俺には関係ないし過去の出来事になっていた。


そう。
クリスマスの日、大きなツリーの下で静かに涙を流す小峯栞を偶然見かけるまでは……。


その時まで、俺は確実に“恋”をしていた。