**-- Twenty five --**



その日の夕方。
目を覚ますと、雪とヒデがいつの間にか来てくれていた。


「よかったね、栞ちゃん。うれしいよ、あたし」


目をウルウルさせながら、感動と興奮が入り混じった声で言う雪。


「夢じゃないよね?」


ワタシがそう聞くと、


「ほっぺでもつねろうか?」


なんて言って、雪は冗談で返す。


「栞さん、おめでとう。よかった……ほんとによかった」


次はヒデ。
声を震わせて“おめでとう”と言ってくれた。


やっぱり、ヒデの泣く姿なんて似合わないな。


「ふふっ、ありがとう」


ワタシが少し吹き出しながらお礼を言うと、


「なんで笑うんすか」


と、ちょっと気に障った様子。それでも、すぐにニカッと笑ってくれた。


直貴は、そんな会話をニコニコしながら見ていてくれた。


“愛”は直貴から、
“友情”は雪から、
“仲間”はヒデからもらった。


ありがとう、ワタシのそばにいてくれて……。