2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

 
**-- another side
     Twenty one --**



8月の花火大会から、早いもので2ヶ月が経ってしまった。


栞ちゃんが桃原さんと別れていた約半年の間、あたしはずっと栞ちゃんのそばにいた。


入院し始めの頃は、栞ちゃんはまだまだ元気だった……。


だけど今では、栞ちゃんは自分の力じゃ立てなくなって、食欲もほとんどなくて……。


少しずつ少しずつ病気が進行していくのを間近で見ていたから、あたしは桃原さんが“結婚したい”という気持ちに素直に喜べなかった。


桃原さんはそれで満足かもしれないけど、栞ちゃんがどう感じるかが問題なんだもの。


もしあたしが栞ちゃんの立場だったら、あたしに限ってのことだけど、結婚はしたくない。


結婚よりも自分の夢を叶えることに力を使ってもらいたい、あたしだったらそう思う。


これは、栞ちゃんを近くで見てきたからこその、あたしの考え。


桃原さんの気持ちも分かるけど、いくら離れていた時間を埋めようとしたってすんなりとはいかないもの……。