2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

 
**-- other side
     Twenty one --**



自暴自棄になっているとかやけくそとか、そんなつもりで結婚したいと言っているんじゃないとは分かってくれても、2人は俺に渋い顔をしていた。


それはそれで仕方ないことだとは思う。……だけど俺は、栞を看取るときに“恋人”ではなく“夫”として看取りたいんだ。


もう時間がないにも関わらず、両親にもヒデや雪ちゃんにも、俺はまだ1人で説得し続けるしかなかった。


栞に家族を作ってやりたい。
その夢は、思い描くには簡単だけど、実際には途方もなく難しい夢だった。


教師になる決意をしたことと結婚すること。


俺にとってはどちらも同じくらい大きな夢なのに、どうして結婚はダメなんだろう……。


俺は栞のスーパーマンにもヒーローにもなれないんだろうか……。


そう思うと、自分の無力さに腹が立って、悔し涙しか流れてこなかった。


こんな精神状態だから、栞に何と言ったらいいのかさえ、俺にはどんな難しい方程式を解くよりも難題なことだった。