**-- other side
Twenty one --**
それからの日々、時計の針は規則正しく時を刻んでいった。
目の周りのアザもだいぶ治り、試験に向けての勉強も始めていた。
そして、俺は相変わらず、父ちゃんと母さんに結婚を認めてもらおうと頭を下げ続ける毎日……。
結婚だって諦められない俺の夢だから、2つとも叶えたいんだ。
2人とも教師になりたいと言ったときはすんなり認めてくれたんだけど、結婚となると目の色が変わって猛反対だった。
「知ってるか、直貴。“二兎を追うものは一兎も得ず”だ。お前はまだ青臭い子どもだ」
殴ることはなくなったものの、父ちゃんは厳しい口調には変わりなかった。
「夢は応援するけど……」
母さんも、父ちゃんと同じ意見に変わりはなかった。
そうこうしているうちに10月に入り、1週間……2週間と何も進展しないまま時間だけが過ぎていった。
栞に残された時間は、あとたったの1ヶ月半……。
それしか残されていない。


