**-- other side
Twenty one --**
「……直くんが真剣に夢を追いかける姿、最後に見せてあげようよ。それを小峰さんが喜ばないわけないからさ」
“ね?”とかわいらしく首をかしげる香織に、泣くまいと締めつけていた涙腺が緩みはじめた。
「今からじゃ……どこも採用試験なんてしてないよ」
「来年受ければいいじゃない。彼女は……小峰さんは、自分が亡くなったあとも直くんが夢を叶えるのを待ってるはずだよ。大丈夫、直くんならできる」
否定的な態度をとる俺を励ますように、香織はさらに柔らかい笑顔を俺に向けた。
「香織には悪いけど、俺はそんなに強くない」
「……小峰さんを看取る覚悟ができてるなら、これ以上直くんは強くなる必要はないんだよ。直くんは、誰よりも強いよ」
さらに否定する俺に、香織は優しく語りかける。
「“一期一会”。今がそのチャンスだと思わない?」
「“一期一会”……?」
「そう。一生に一度限りのことだよ、直くん。うんと大切にしなきゃダメだよ」


