**-- other side
Twenty one --**
「……」
俺は、しばし香織の話に耳を傾ることにした。なぜなら、香織は俺が知らない栞を話してくれそうな気がしたからだ。
「ほんとはね、小峰さんが直くんのことを本気じゃなかったら返してもらおうと思ってたの。私も直くんのことが本気で好きだったから」
香織は、オレンジジュースを一口飲んだ。
「でも小峰さんは本気だった。直くんと別れたあともずっと想い続けてたって顔、してたよ」
「……」
「自分に都合良く考える人かなって思ってたけど、そういう人でもなかった。私も同じ女だから分かるの、そこら辺は」
そう言うと、香織はふっと柔らかい笑顔を俺に向けた。
「小峰さんは、直くんの夢のことまで考えてた。私が知らなかった直くんの夢のことまでちゃんと考えてたよ」
その笑顔をを絶やさずに、香織は俺を真っすぐに見つめ続ける。
「……試験、受けたらどう?それだって、直くんにしかできないことなんじゃない?」
「……香織」


