**-- other side
Twenty one --**
「指輪を買うんなら、小峰さんは7号くらいがいいと思うよ?」
「はっ?」
香織が何を言おうとしているのか俺にはさっぱり意味が分からなかった。
「諦めたくないんなら、指輪も買っておかないとダメでしょ?」
「……」
「最悪、お父さんが許してくれなくても、指輪をはめてあげるくらいはできるじゃない。直くんにしかできないことがほかにもあるんじゃないかな?」
「……」
ポカンと口を開ける俺に、香織は次々と言葉を発していく。
それは香織からのエールだった。心の奥でずっと裏切り続けてきた香織からの、最低な男に向けられたエール……。
「……なんで」
――なんでそこまで考えてくれるんだ……?
目頭が急激に熱くなる。
香織に対しての申し訳なさが胸を痛いくらいに締めつける。
「小峰さんにはかなわないよ、私なんかが……。小峰さんは、自分のことより直くんのことを考えてる。私のことも考えてくれてたよ……」


