**-- Twenty --**



次の日の朝からワタシの入院生活はバラ色になった。


目を覚ますと直貴の顔が近くにあって、ワタシの手を握ってくれていた。


骨と皮になりかけているワタシの手を、直貴は大事そうに握ってくれていた。


体を起こすと、狭いソファーに雪とヒデが寄り添うように眠っていた。


ヨリが戻ったんじゃないかという期待で、胸がいっぱいに膨らむ。


ワタシのせいでだいぶ遠回りをさせてしまったこと、2人は許してくれるかな?


ワタシが直貴に今までしてきたこと全部、直貴は許してくれるかな?


サンサンと輝く太陽の光で目覚めた朝は、ワタシに幸せな気持ちと申し訳ない気持ちを運んできた。


しばらく3人の寝顔を眺めていると、昨日の夜のことが次々と思い出されてくる。


直貴は、ワタシのそばにいると言ってくれた。


ヒデだって、わざわざ夜中に駆けつけてくれた。


雪はずっと直貴に連絡を入れ続けてくれていた。


どれほど感謝の言葉を並べても足りないくらいだ。