**-- other side Sixteen --**



そのあと俺は息を吹き返したようにまたヒデに管を巻き、さんざん栞のグチをこぼした。


ヒデは“うん、うん”と相づちを打って、俺につき合って強い酒をグビグビ飲んでくれた。


最後は夜の街のど真ん中で肩を組みながら、大学の応援歌を人目もはばからず大声で歌いまくった。


俺もヒデもだいぶ忘れていて、分からないところは勝手に歌詞を作って歌った。


2人でバカをやっていると、いつの間にか栞のことは吹っ切れていた自分に気づいた。


こんなバカ騒ぎで吹っ切れるんだったら、もっと早くヒデと飲んでいればよかったと少しばかりの後悔もあった。


でもとにかく、ヒデにグチ聞いてもらったおかげで、俺の気持ちは軽くなった。


新しい恋は今はまだできそうにないけど、近いうちに必ず栞よりうんといい女を見つけてやろうと、夜空に向かって吠えた。





でも……。
ヒデの様子が変だったわけを知ることになったのは、それから何ヵ月も後の、真夏の日のことだった……。