**-- Thirteen --**



次の日、ほぼ同時に目覚めたワタシたちは、体中の痛みに吹き出して笑った。


「直貴がなかなか離してくれないからこうなっちゃったんだよ」


と、直貴が起きているときに初めて名前で呼んでみた。


「初めて名前で呼んでくれた〜」


直貴は寝起きのあまり、たどたどしくそう言って、ワタシのおでこにキスをしてくれた。


そのキスにまたまた涙ぐんでしまったワタシは、またまた直貴の温かな心と体で抱きしめてもらった。


2人だけの、幸せで甘い時間。
週末だったこともあって、ワタシと直貴は土日を丸々デートに使った。


昼間の街を手をつないで歩ける幸せ、今まではそんなことはできなかった。


夜のネオン街だったりお洒落なバーだったり、行くところはいつもラブホだったから、昼間のデートにワタシは浮かれ放題だった。


行きたいと思っていても行けなかった場所……、例えば遊園地や水族館。


どこもベタな場所だけど、ワタシは直貴と一緒にいられるだけで幸せだった。