**-- another side Twelve --**



ヒデくんに失望したってまだ好きな気持ちは残ってる。


そんな簡単に切り替えられるくらいの想いなら、こんなに涙は出ないよ……。


半分くらいは勢いで言っちゃったことだった。


でも、ヒデくんの言葉は許せるものじゃない。


明日になったって、1ヶ月先だって、絶対にあたしは許せない。


それでも今だけは、
今夜だけは……。


失恋の痛みに泣かせてもらってもいいかな?





ねえ、栞ちゃん。


あたしたちって、親友だよね?
偶然なんかじゃない、必然の親友だよね?


あたしの仕事をさり気なく手伝ってくれたり、ミスをカバーしてくれたり、あたしの前の彼氏の話を何時間も聞いてくれたり……。


今までたくさん助けてくれて本当にありがとう。


だから今度は、あたしが栞ちゃんを助ける番だからね。


頼りないかもしれないけど、これからもよろしくね。



栞ちゃんが元気でいれること、心から祈ってるよ……。