**-- another side Twelve --**
「あの場はなんとかごまかしたけど、本音を言うと、もう栞さんには関わらないほうが俺はいいと思う」
ブチブチ。
あたしのこめかみの辺りが怒りを訴えている。
「栞さんのことを思って言ってるんだ。俺たちが簡単に関わっちゃマズいことなんじゃないか?酷なこと言って悪いけど……」
さすが現役の高校教師。
まさしくヒデくんが言ったことは正当論。
非の打ち所がないくらい、立派な先生の見解。
「直貴も雪も、同情と愛情が一緒になってる。自分たちでも分からなくなるくらい、ごちゃ混ぜになってるんだよ」
ブチブチブチブチッ。
あたしの体中の細胞が、怒りで沸騰寸前にまで燃え上がる。
「あたしも桃原さんも栞ちゃんに同情してるっての?」
あたしは怒りで震える唇をなんとか動かして静かに聞いた。
昼間に会った長坂さんとはまた違う怒りが全身を支配している。
怒りと失望が一緒になった感覚。今回は怒りのままに暴れられなさそう。


