2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

 
**-- another side Twelve --**



ヒデくんと2人で栞ちゃんが帰ってくるのを待っていたとき、ヒデくんはずっと浮かない顔をしていた。


でもあたしは、そのときは自分のことで精一杯でヒデくんの様子には気を配ってあげることができなかった。


あたしが、


「栞ちゃんにもしものことがあったら……」


とそればかりを繰り返し言っているときでさえも、ヒデくんは


「直貴だったら大丈夫だから」


と言ってくれていた。


やっと栞ちゃんに会えたときだって、ヒデくんはあたしたちを見て“よかった”と涙ぐんでくれていた。


2人と別れた後、あたしたちはご飯を食べにファミレスに入った。


そのときになって、あたしはヒデくんの浮かない顔の理由を知ることになった。


食事が終わって、ヒデくんがタバコに火をつけたときに、それは起こった。


「……ヒデくん、さっきからどうしたの?浮かない顔しちゃって」


あたしは栞ちゃんに会えたことでもう安心しきって笑顔になっていた。