2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

 
**-- other side Twelve --**



家に車を戻しに行ったとき、ヒデの家に泊まってくると軽く嘘をついたこと、バレてないだろうか。


両親はヒデのことは知っていて、大学生の頃は何度も泊りに行ったり泊りに来たりしていた。


雪ちゃんはつい数日前に初めて両親が会ったわけだけど、そのときは特に何も言われなかった。


俺を心配してぬいぐるみまで持ってきてくれた雪ちゃんを「今どき珍しいくらいいい子ね」なんて母さんは言っていた。


たぶん、母さんのお気に入りなんだろうな、と思った。


俺はまだ、好きな人ができたこともその人が病気だということも話せていない。


このタイミングで話すべきじゃないと、俺が勝手に思っている。


栞にだって両親を紹介したいだなんてのは話せていないのに、先に両親に言うのは筋が通らない。


栞を胸で泣かせてやっているときに、漠然とそんなことを考えていたんだ。


そしたらいつの間にか寝てしまったというわけだ。


俺の頭は、将来の妄想でいっぱいだった。