**-- other side Twelve --**
川原でした話の続きを今が話すチャンスだと思っていたのに、俺は寝てしまった。
栞の作ってくれたシチューとサラダがあまりにも美味かったから、食欲が倍増して食べすぎてしまったんだ。
栞は料理をしなさそうなイメージだったけど、手際も味付けもよくて感心してしまった。
サラダのドレッシングだって手作りだった。さすがに母さんはドレッシングまでは作らない。
イメージと現実とのギャップに軽く衝撃を受けていたことは、栞には話さないほうがいいかもしれないな。
怒られたら嫌だし。
怒ったら怖いし。
とにかく栞は、何を取ってもかわいらしい。
病気だろうが何だろうが、栞は栞なんだもんな。
いつも胸ポケットに入れて連れて歩きたいくらい、本当にかわいいんだ。
たった2歳の歳の差じゃないか。少しずつだけど、俺に素直に甘えてくれるようになった。
それだけで俺は十分だ。
いつか母さんと父さんにも紹介しなくちゃな、なんて思う俺は気が早いかな?


