**-- Twelve --**
ドンッ。
やっと布団の端っこをつかむことには成功したけど、勢いあまって一緒に床に倒れこんでしまった……。
けっこう痛かったのに、それでも直貴は起きる気配がない。
ワタシをひしと抱きしめたまま、夢の世界へ行っている。
電気もつけっぱなし、テレビもついたまま、しかも寝るところは床の上……。
――こういうのも悪くないかも。
ワタシの部屋に初めて泊まった人――直貴は、前代未聞の床で寝ている。
寝顔もまたすごくかわいい。
よく見ると、まつ毛も長いし肌もきれい。
こんなことを言ったら怒られそうだけど、中性的というか女っぽいというか、そんな顔。
いつまでも見ていたいと思わせる魅力や色気もあって、ワタシの胸キュンポイントがまた1つ増えたんだ。
しばらく見ているとワタシも眠くなってきて、いつの間にか2人で床に寝転がったまま眠ってしまった。
どうしてワタシがあまのじゃくな姫になってしまったのか、直貴の見解を聞くのはまた今度だね。


