**-- Twelve --**
ごめんね……。
自分のことしか考えてないのはワタシのほうだよ……。
雪のお節介のことだから、昨日かおとといの夜に直貴に電話していたんだろうな。
ワタシがエイズかもしれない。
雪は心配性だから、直貴に話さずにはいられなかったんだろうな。
ヒデだって、寒い中をわざわざワタシの部屋の前で待っていてくれて……。
ごめんね。
そして、ありがとう。
ワタシのためにいろいろしてくれたこと、眠れないほど考えてくれていたこと、本当にありがとう。
自惚れとか思い込みでもいい。
直貴は眠れないほどワタシを想って考えてくれていた。
そう思ってもいいよね?
そう都合よく考えてもいいよね?
「ねえ、さっきの話の続き、聞きたいんだけど……」
涙が収まってきたワタシは、直貴の胸から顔を上げて聞いてみた。
「……」
でも直貴は返事がなかった。
「寝て……るの……?」
「……」
「直……貴?」
「……」


