2年おきの恋。-偶然と必然と運命と宿命-

 
**-- other side Eleven --**



4日。
朝から俺は気が気じゃなかった。


一睡もしていないのに頭だけ妙に冴えていて、いくら振り払おうとしてもブラックホールが俺を飲み込もうとするんだ。


仕事も仕事にならなくて、常に気にしていたのは雪ちゃんからの電話だった。


昼休みの時間帯にやっと雪ちゃんから電話があって、栞の元・不倫相手――長坂なんちゃらさんが会社を辞めたことを聞かされた。


本音を言うと、あの彼の名前なんて知りたくもなかった。


名字だけ聞けば十分。
下の名前は、雪ちゃんには悪いけど聞いたそばから即抹消した。


雪ちゃんは、詳しい病名や入院先はうやむやのまま朝礼が終わってしまったから、なんとか入院先を聞き出して直接会って確かめてくる、そんなことを言っていた。


このときの雪ちゃんは、彼に会うためだったらどんな手段も選ばないといった、ハリウッド映画の女スパイみたいな感じだった。


俺も一緒に行くと何度も言ったけど、雪ちゃんに頑(カタク)なに拒まれてしまった。