**-- Eleven --**
――ワタシって、ほんとにバカだよ……。
最後の質問で、やっと攻略法とあまのじゃくが一本の線につながった。
「……大好き」
ワタシは涙をこらえながら必死に“大好き”と言った。
「それは……、どっち?嘘?ほんと?」
直貴は困った顔でワタシに聞く。ワタシはブンブンと首を横に振って何も答えなかった。
――どこまでも素直じゃないワタシ……。
本当は、直貴がたまらなく好き。だけどワタシはあまのじゃくだ。
“大好き”は“大嫌い”の意味。
“大嫌い”と答えたら“大好き”と直貴に言ったのと同じこと。
ワタシは直貴に“大好き”と言うことしか思いつかなかった。
「3つ目までは嘘だって分かったんだけどな」
直貴は、はにかむように苦笑いをした。
「まだまだ修行が足りないんじゃないの?出直してきなよ」
ワタシはそう言って、直貴の手を離した。
「もう1回聞くけど、俺のこと、好き、嫌い、どっち?」
「……」


