いつもとなりに

私冬太に何かしちゃった?


けど、何をしてしまったのか全然わからなくて、
さっきからずっとこうして冬太に話しかけてるのに

「別に何でもないよ」

なんて


じゃあ、なんでこっち向いてくれないのよ!!


こんなわからない冬太は初めてで、
繋がれた手はいつもと同じはずなのに、
全然違う人みたいで、
瞳に涙が溜まってきた


「………」


「……遥香?」


歩くのをやめた私に向かって、
やっと冬太はこっちを向いた


「冬太のバカ……

怒ってるなら、怒ってるって
言ってくれないとわからないよ!

顔見て話してくれないと、
私わからないよ!」


繋がれた右手を振り上げて、
冬太から切り離した