「……で、何⁇何処行くの⁇」
俺はちゃんとカバンを持って ずっくんの隣を歩く。
「……待ち合わせ場所⁇
まぁ、付いてきたらいいじゃん、どうせ 暇でしょ⁇」
「暇、って……暇だけどさ……」
2階分階段を降りて、入っていったのは 1年生の教室。
俺とか、ずっくんは 3年生だから あまり馴染みがない教室。
……っていうか、なんとなく 懐かしい。
内装とか何も変わらないから 懐かしいも何もない気もするけど……。
「……お待たせー。」
躊躇なく、教室に脚を踏み入れていく ずっくん。
俺が脚を踏み入れると、窓から射し込む光で中にいる人たちの顔が皆 真っ黒に見えた。
光に目を細めると、窓からは風が吹き入れた。
春。
散った桜の花弁が風に舞って、教室の中にまで入ってきた。
「レオさん、立ち止まってないで 早く‼︎」
気づけば、ずっくんも 先に教室に居た2人の側で机に腰掛けていた。
「あ……うん。」
これが、出逢い。春の出逢い。
これから、ずっくん曰く バンドをする仲間との出逢い。



