大きく切って頬張ると、少し笑って彼は私の頭を撫でた。 梓、私の名前。 お父さんが響きがいいからというだけで名付けたらしく、私は自分の名前が嫌いだった。 花言葉もないその植物は気味が悪かったから。 『僕は好きですよ。梓の木は、僕は好きですよ』 彼はいつだったかそう教えてくれて以来、単純な私は自分の名前が少しだけ好きになった。