多分、私と彼の出会いにはっきりとした日付はない。 気がついた時にはもう私は貴方に恋をしていた。 陳腐な言葉だと分かっていても、それ以外で語るすべを持っていない。 空を見上げた。 彼が好きだといった飛行機雲が、今にも消えそうに一直線を描く。 溢れ出す記憶に、そっと涙を拭う。 この懐かしい物語を、彼に贈ろう。