彼の家に行った日から数日。 「どうしたの?」 友達、と唯一呼べる彼女が私の視界に入り込んできた。 「何もない」 言いたいことはたくさんある。 でも誰かに言うことが怖かった。 彼はいつだったか、私に約束させた。 『僕のことを誰にも話してはいけないよ。話してしまったら、どうなるか僕も分からないけど、とにかくそれだけはダメなんだ』 珍しく強い口調でしつこく私を諭した。