迷える私と時を視る彼。




その寂しさと怖さは苦しいほど知っている。


よぎった思い。



女の人も、私の瞳が揺れたのを見逃してはくれない。



「話聞いてくれるかしら?」


「え、あ。はい」



 物を言わせぬ女の人の言葉に私は頷くしかない。



私の返事からたっぷり時間をおいて、女の人はゆっくりと話し出した。