迷える私と時を視る彼。






「じゃあ誰ですか?」


「幽霊みたいなものよ。」






女の人は私に近づいて、目の前に来てしゃがみ込んだ。


思わず一歩後ずさりして、持っていた箸を前に突き出した。



「助けて欲しい人がいるのよ」




私は頼まれたことが唐突で意外すぎて、言葉が出なかった。


幽霊が助けて欲しいってわざわざ私に頼むだろうか?



こんな出来損ないに?


人選間違えたんじゃない?