そして表情はまるで無いみたいにニコリとも笑わない。 俺が話しかけても、淡々としていて。 自分で言うのもなんだが女は大抵媚びてくるこの容姿に眉一つ動かさない。 その女は、島村なつめと言うらしい。 「スマホに俺の番号入れといたから」 ブレザーのポケットから覗いたキーホルダーを見つけて素早く登録すると、なつめは目を見開いた。 「…強引」 「悪いか?」 「……常識的じゃない」