MAD LOVERS





初めて会った人なのに、とか関係なかった。



いつの間にかスマホに登録されていた、旭の電話番号とチャットのID。


太田千都子…ちぃと旭の名前しかない、画面を見つめる。



他に友達は居なかった。



私の世界にいたのは、ちいだけだった。



それをいきなり破って土足で踏み込んできて…。


もし中学生だった頃の私に言えば、信じられないと相手にもしないだろう。


瞼を閉じてそっと思い出していたら、いつの間にか私は眠ってしまっていた。