日常にもうとやかく言うほどの労力はない。 手を洗いに洗面所の方に行けば、お父さんの部屋がある。 そこで行われている行為、ただの男と女の情事があからさまに聞こえる廊下を通らなければならないのは億劫。 ただでさえ玄関にまで聞こえる、女のよがる声。 吐き気がする。 私は手を洗うのを諦めて二階の自分の部屋に向かう。