*** だが、この時まだ俺は朱里を好きではなかった。 ただ単に面白い女、という存在だった。 じゃあ、あの時だろうか。 俺が優夢と間違えてキスした時。 ………いや。違うな。 確かにあの時、俺も動揺していた。 だから、朱里に酷いことを言ったりもした。 それでもまだ優夢のことを思っていた。 まぁ、でもきっかけではあるのかもしれないが。 なら、もう少し先か。 そう思い、再び記憶を辿った。