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「朱里!?その格好どうしたんだよ!」
土日が過ぎ月曜日。
バイトに行くと光くんが驚いたように話しかけてきた。
それもそのはず。
私は全身びしょ濡れだから。
「家に傘忘れちゃってさ!」
確かに雨が降っているなか傘をささずに来たけど、嘘です。
ご察しの通り、先輩たちのせいです。
昨日の日曜日、バイト代はあっという間に底をついたが、先輩たちは満足しなかったみたいで、今日の行為はエスカレートしていた。
暴力や雑用だけでなく水をぶっかけられた。
そして、私の傘は持っていかれた。
陽斗くんには、しばらく一緒に帰れないことを伝えていたため頼ることも出来ず、結果、今に至る。
「天気予報見ろよ!」とタオルとドライヤーを持ってきてくれた。
「ありがとう」と言うと制服や髪を拭いて、ドライヤーで乾かす。
ある程度乾くと、仕事を始めた。

