ウソのコイビトになりました





『…親も、アイツも、みんな兄貴ばっか…。なんで、なんで、いつも……』



帰ってきて彼が言った言葉。
それを思うと、胸がざわついた。



陽斗くんがあんなふうになったのは、優夢と関係しているの?



「ねぇ、優夢」



私は帰ろうとしていた優夢を呼び止め



「昨日、陽斗くんと何かあったりした?」



そう聞いた。
優夢は少し驚いた様子を見せると、すぐに微笑んで



「…なんにもなかったよ」



そう言った。



「陽斗くん、何か変わった様子じゃなかった?」


「…ううん。そんなことなかったと思うよ。

ごめん、もう帰らなきゃなんだ!ばいばい!」


そう言って優夢は風のように帰って行った。