水とタオルと氷水の入った袋を持ってドアをノックする。



「着替え終わった?」


「……ん」


「じゃあ、入るよー」



かすかな声が聞こえて、部屋に入る。



私が言ったように陽斗くんは着替えて寝ていた。



辛そうな顔をしながらも、意識はあるらしい。



濡らしたタオルをおでこに、氷袋を首や脇下などに置く。



「おかゆ作ってくるね。できたら起こすから寝てて」


「ん……」



陽斗くんがそれだけ言って目を閉じるのを見て、濡れた衣類を持って部屋を出た。