「また2週間後にね」

「うん、よろしくね」

つーくんと言葉を交わして診察室を出た。

「みぃ」

「ん?なぁに?」

「ほんとに貧血の症状ないの?」

「うん。つーくんに言われるまで分からなかった」

「………そっか。だけど、ほんとに無理はダメだからね」

ここにも心配性の人がいた。

「気をつけます」

葵にジーっと見られて、ちょっと居心地が悪かった。





家路に急ぐ。

「「ただいま〜」」

玄関で思わず声が揃った。

「おかえり。検診どうだった?」

ひな兄がひょこっと顔を出した。

早速、聞かなくても……


「………うん、……ヘーキだったよ……それより由奈さんどう?」

話題を変えなきゃ。

「熱がちょっと高いんだ。一人暮らしだって言うし、このまま帰しても心配だったから連れてきた。美晴、うつるかどうか分からないけど、マスク付けてて」

「分かった。私も一緒に居てもいい?」

「みぃっ‼︎」

葵の大きな声が響いた。

「………少しだけ………ね?」

私だって力になりたいもん。

「葵………司さんになんて言われたんだ?」

「貧血が出てるから、無理するなって」

あーひな兄に言っちゃった……