ある日の定期検診の日に、ひな兄から連絡が入った。

『前園さんの体調が悪くて心配なので、連れて帰ります』


前園さんって……由奈さんだよね……

『由奈さん、体調悪いの?私今から病院で定期検診なんだけど、終わったらすぐに帰るね』


ひな兄が、女の人を家に連れて帰るなんて珍しい。

もしかしたら、もしかするのかも………

そうなったら、私、凄い嬉しいな……

ひな兄から、連絡をもらってから、1人ニヤついてしまった。

「みぃ?どうしたの? ………嬉しい事でもあった?」

隣にいた葵が、不思議そうな顔できいてきた。

「ふふ……うん。あのね、もしかしたら
、ひな兄に素敵な人が出来るかも」

「…………え?ひな兄に?」

「…………うん。もしかしたらだけどね」

「こういう時のみぃの勘ってあたるからな〜。え?誰?みぃが知ってる人?」

「知ってるも何もいつもお世話になってる人だよ」

「みぃがお世話になってるの?」

「うん」

「………………前園さん?」

「ふふ、正解」


「………………っ‼︎ マジで?」

「今はまだわからないけど、そうなればいいな〜って」

「確かにそうなれば、みぃの見張り役の人増えるから俺も嬉しい」

「もうっ‼︎ 葵ってばそんな事言って……」

「だけど、ひな兄、今までそんな話なかったから あまり興味ないのかと思ってたけど、そうじゃなかったんだな」

「ひな兄に合う、いい人が見つからなかっただけだよ」