お出かけから、体調を崩した美晴が退院した次の日。

俺と葵はいつも通り病院へ向かった。

病み上がりの美晴を残しての仕事は気がひけるけど、簡単に休めないし、美晴には無理をしない事を約束させた。

「ひな兄、みぃ大人しくしてるかな」

葵も心配らしい……

「約束したから、無理はしないと思うよ」

「そうだね。今回は発作も頻発しないで良かった。発作だけで疲れちゃうもんね」

「そうだな。美晴は体力ないから、あまり無理はして欲しくないしな」

二人で美晴の事を話しながら病院へ向かった。


葵とは入り口で別れて、医局へ向かう。


「あ、日向先生、おはようございます」

前園さんが向かいから歩いてきた。

「前園さん、おはよう」

「日向先生寝不足、大丈夫ですか?」

「え?」

まさか前園さんにバレてるとは思わなかった。

「いえ、この前日向先生もお疲れだった様なので……私の勘違いならいいんです」

前園さんは苦笑しながら話してくれた。

「あ、いや……周りにバレてるとは思ってなくて驚いただけだよ。美晴の体調も落ち着いたし、俺も復活してるよ」

「それなら良かったです。日向先生も無理なさらないでくださいね」

前園さんはにっこり笑って、優しい言葉をくれた。



「あ……あぁ。前園さんも無理しない様にね」

「ふふ、ありがとうございます」

そして前園さんは、俺の前から立ち去った。