朝になり、葵は起きてきた。

「ひな兄、みぃは……」

「下がってない。病院連れて行くか……」

「そうだね……みぃには苦しんで欲しくないな……」

「多分お出かけの疲れからきてるのもあるから、そんなに長引かないとは思うけどね……」


葵は、仕事へ行く準備を始めて、俺は美晴を病院へ連れて行く準備を始めた。


「みぃ。熱あんまり下がってないから、病院行こうか……」

俺の声に薄っすら目を開けた美晴。

「ひな、にぃ……」

「ん?どこが辛い?」

「暑くて……眩暈あるの……」

「苦しくは?」

「少しだけ……でも、大丈夫」

「分かった。今から病院行って、司さんに診てもらおう」

「にゅ、いん?」

「それは司さんが決めることだから……でも、しない方向で考えてくれると思うよ」

美晴は小さく頷いた。

「みぃ、行こうか。首に掴まって?」

準備が整った葵が、美晴に声をかけて抱き上げた。

美晴は素直に葵の首に手を伸ばして、抱き上げられると、胸に顔を埋めた。


「ひな兄、運転お願いしていい?」

「もちろん」

俺たちは、車で病院へ向かった。