布団の中に湯たんぽを入れて、毛布を掛けながら、美晴のおでこに手を当てた葵。

思わず目を見開いた葵は、すぐ様俺を見た。


「一気に上がってるよな〜」

「うん、ビックリした……みぃ大丈夫かな……」

「一応、明日になっても下がらなかったら病院かな……」

「そっか……明日に下がってればいいけど……」

葵の切ない表情は、美晴の熱が長引く事を危惧しているのが分かった。



夜中には、俺たちの心配をよそに、美晴の熱は上がるところまで上がった。






「ハァ……ハァ…ケホケホッ」

暫くして、寒がっていた美晴は、暑がり始め、俺と葵は、美晴の体を冷やし始めた。

脇の下や足の付け根に保冷剤を当てて、体を冷やしている。

「あ、おい……」

「ん?どうした?」

美晴の小さな声を拾ってくれる葵。

「………ごめ、んね」

「どうして謝るの……」

葵は眉を下げている。

「め、わく……」

こんな状態でも美晴は自分を優先しない……

「迷惑なんかじゃないよ。俺が側に居たいからしてるだけ。みぃは、今は治す事だけ考えて? じゃないと、またお出かけできないよ?」

「………うん……て、にぎって」

美晴は葵に向かって、腕をゆっくり伸ばした。