美晴の呼吸が少しずつ荒くなってきいる気がする。

ピピ、ピピ、ピピ、ピピ

「38.3℃……上がったね……みぃ、寒い?」

葵の問いかけに小さく頷いた美晴。

「俺、湯たんぽ用意してくる」

葵は、美晴の部屋を一度出た。


美晴、ちゃんとマスク付けて行ってたのにな〜

長引かないといいけど……

俺は妹の事も甥っ子の事も可愛くて仕方ないから、どっちもの喜ぶ顔が見たいし、苦しむ顔は見たくない。

だけど美晴はすぐに無理をするから……

必然的に美晴が辛い思いをする事が多いんだけど……

新は美晴にとっても可愛い甥っ子だもんな。

喜ぶ顔が見たい気持ちも分かるよ……


でも、無理しちゃダメなんだよ。

そんな事、頑張ってる美晴には言えないんどけどね。



「みぃ、持ってきたよ。温めようか」

葵が、部屋に戻ってきて、手にしていた物は、湯たんぽと毛布。

葵の中でまだ上がる事を予想したんだろう。

俺も同じ診断だから何も言わない。


葵は、テキパキと美晴を温める準備を始めた。